【島根県】ぜんざいの発祥の地と誕生秘話

日本発祥のもの

ぜんざい

発祥の地

島根県出雲地方

ぜんざいの起源

ぜんざいの起源には2説あり、出雲地方の神事を起源とする説と、仏教用語を起源とする説とがあります。

出雲地方の神事を起源とする説では、神在月(出雲大社に全国の神々が集まる旧暦の10月のことで、出雲地方以外では神無月といいます)に行われるお祭りで供えられた神在餅(じんざいもち)が起源と言われています。「じんざい」が出雲弁で訛って「ずんざい」と聞こえ、さらに「ぜんざい」と変化して京都に伝わり定着したのです。

出雲大社(出雲市大社町)や佐太(さだ)神社(松江市鹿島町)をはじめとする出雲地方の各神社では、神迎祭(かみむかえさい)で神々ををお迎えし、神在祭(かみありさい)を行い、神等去出祭(からさでさい)でお見送りをします。
最後の神々をお送りする神等去出(からさで)神事で、神前に供えていた小豆と餅を煮て再びお供えしたものが神在餅(じんざいもち)です。
佐太神社については、江戸初期の書物『雲陽誌』に神社名とともに神在餅の記述がみられます。
神在月に日本中の神々が集まり行われる大きな会議は、神々が行う縁結びサミットといったところでしょうか。この神在月に行われる神事は地域でも大切に受け止められてきており、この時期を「お忌みさん」と呼んで神々の会議の邪魔にならないように静かにくらすこととなっています。

また、出雲地方の海岸部では、ぜんざいに似た小豆雑煮を正月に食べる習慣があります。
この小豆雑煮は見た目はぜんざいと変わりませんが、出汁で煮込んである甘くないもので、鳥取や京都、石川や新潟などの海岸部でもこの小豆雑煮を食べる習慣があるようです。
小豆は赤色をしているので、邪気払いの食材との意味合いもあったと考えられています。
また小豆を食べることは特別なハレの日を意味しています。
ぜんざいは出雲発祥であるとの説は、松江藩の地誌や江戸時代の書物にも神在餅の記載があることから、近年は地元でも強くアピールをしています。
出雲市の出雲観光協会内に事務局のある出雲ぜんざい学会が、10月31日を「出雲ぜんざいの日」として2007年(平成19年)に制定し、一般社団法人・日本記念日協会によって認定されて登録となっています。

仏教用語を起源とする説では、仏教用語の「善哉(ぜんざい・よきかな)」を起源とするものです。
サンスクリット語の「素晴らしい」という意味の言葉の漢訳が「善哉」で、仏が弟子を褒めるときに使う言葉であったとのことです。

なぜ小豆を甘く煮たものが「ぜんざい」となったのかは、とんちのアニメで有名な一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん)が関係します。
一休宗純が初めてぜんざいを食べた時に、ぜんざいがあまりにも美味しいので「善哉」と叫んだとか。
おいしい!と叫ばず素晴らしい!でもなく、「善哉!」と叫んだのが、僧ならではですね。

ぜんざいの発祥の地マップ

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