【福井県】ボルガライスの発祥の地と誕生秘話

日本発祥のもの

ボルガライス

発祥の地

福井県越前市

発祥期

1980年(昭和55年)以前

考案者

カフェド伊万里(現在は閉店)、ジャムハウス、江戸屋など

ボルガライスの起源

ボルガライスは、1980年(昭和55年)以前にはあったとされる福井県越前市のご当地メニューです。オムライスの上にカツがのせてあり、ソースがかかっています。

発祥店は不明ですが、カフェド伊万里、ジャムハウス、江戸屋の3店舗が有力とされています。
この3店舗のボルガライスは、ライスはケチャップライスだったりピラフだったり、上のソースもデミグラスソースやトマト風味のソースだったりアレンジの異なるものでした。
ボルガライスという名前は、ロシアのボルガ川流域でよく似た料理を見かけたことからボルガライスになった説やイタリアの地名説などがありますが、はっきりしたことはわかっていません。

1980年以前から地元で愛されてきたボルガライスですが、知名度は低く、市民も2割の人しか知らなかったそうです。
ボルガライスの知名度が上がるきっかけとなったのは、2009年に日本経済新聞で「もったいない福井人気質」という記事でした。
福井県民が宣伝下手で宣伝する意志がない例としてボルガライスが挙げられたのです。

「お金を使わずにできることをやって、まちは良くなるのだろうか」「何か自分たちにできないか」と考えていた市職員3人がその記事を読み、「それならボルガライス、やってやろうじゃないか」と2010年に日本ボルガラー協会を設立します。
目標はボルガライスを学校給食で提供すること。
ボルガライス提供店からお金をもらったり補助金などに頼ることはしませんでした。自作CMをYouTubeで公開、無料サイトを使ってHPを自作、ツイッターやフェイスブックを使って無料で情報発信など、お金をかけることなくボルガライスのPRを始めます。
越前市出身の有名漫画家である池上遼一氏にPRポスター作成を依頼できることになりますが、こればかりはどうしても費用がかかるので、ボルガライス愛をひたすら語り、協力金を集めたそうです。

ポスター効果で注目され地元の新聞やメディアから取材を受けるようになると協力者も増え、初音ミクの「ボルガライスの歌」やボルガライスを擬人化したキャラクターの「堀賀来須(ほりがくるす)」も誕生します。

当初5店舗での提供だったボルガライスも、地元の盛り上がりにより提供店も増えていきました。
チーズを乗せたもの、ソースではなく中華あん、自家製のうどんが入ったもの、そばのフライをトッピングしたものなどが登場し、オムライスの中身もチャーハンだったりチキンライスだったり。カツもトンカツだったりメンチカツだったり。
今では、ボルガサンド、ボルガラーメン、ボルガ焼きそば、押し寿司にしたもの、越前おろしそばとのセットメニュー、鍋ボルガライスなどもあります。

地元の盛り上がりはテレビや新聞でも取り上げられ、目標だった学校給食になり、JALの機内食に採用されたり、コンビニメニューにもなりました。
ボルガライスは店舗ごとにアレンジされて長く愛されてきたメニューであり、その違いを楽しみながら今後の新作も期待できるご当地メニューなのです。
2022年には文化庁の「100年フード」の「未来の100年フード部門〜目指せ、100年!〜」に認定されています。

ボルガライスの発祥の地マップ

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