【岩手県】わんこそばの発祥の地と誕生秘話

日本発祥のもの

わんこそば

発祥の地

岩手県花巻市

発祥期

1600年頃(慶長時代)

考案者

南部利直

わんこそばの起源

わんこそばの起源には諸説ありますが、花巻を起源とする説が有力です。

約400年前、南部藩27代の南部利直が江戸に行く途中に花巻城に立ち寄った際、口に合うかわからず少量のそばを丼では失礼だからと漆器のお椀に入れて出しました。
利直はそのそばを気に入り、何杯もお代わりをしたことがわんこそばのはじまりとするものです。
明治時代になると、代々花巻城の御用そばを仰せつかっていたといわれるそば屋「大畠家」が一般にも提供するようになり花巻名産としてわんこそばが広まったといわれています。(現在、大畠家はわんこそばの提供をしていません。)

ほかにも、第19代内閣総理大臣で平民宰相ともいわれた原敬が墓参りのため盛岡に帰省したとき、そばをお椀でお代わりしながら食べて「そばは椀コに限る」といったことから広まったとする説もあります。
また、岩手では米は育ちにくく、そばの栽培が盛んだったことから、冠婚葬祭などの宴会の締めにそばをたくさん振る舞うそば振る舞い(またはお立ちそば)という風習がありました。
冠婚葬祭など大人数にそばを振る舞うとき、そばを一度に大量に茹でることが難しく、一部の人は食べられても他の人には茹で上がるまで待たせることになってしまいます。
お客様にたくさん食べて満足して帰ってもらいたいというおもてなしの気持ちから、皆に少量ずつ提供し、茹で上がるたびにお代わりをしてもらっていたというわんこそばに繋がる作法もあったのです。

現在のわんこそばは、「盛りだし式」で提供する店と、給仕が側につき椀が空になるとすかさずおかわりのそばを入れてくれる店があり、給仕が「はい、どんどん!」「はい、じゃんじゃん!」などの掛け声をかける店もあります。
盛りだし式では一口ずつ盛られたわんこそばを自分で移し、薬味などを加えいろいろな味を楽しみながらゆっくりと最後まで美味しく、自分のペースで食べられます。
給仕が側につく店では、味とともに給仕してくれる人との掛け合いを楽しめます。食べ終わりはお椀に蓋をするのが合図です。

わんこそばには、ねぎ、鰹節、のりといった一般的な薬味のほかに、刺身、漬物、イカの塩辛、いくら、紅ショウガ、山菜、天ぷら、そぼろなど店によって様々な組み合わせで楽しむことができます。
わんこそばの一杯の量は店舗によって異なりますが、お椀7〜15杯で一般的なそば1杯分といわれおり、男性で60〜80杯、女性で30〜60杯を平均すると食べるそうなので一般的なそばの2〜3倍は食べていることになります。
薬味やいろいろな具材と合わせながら喉ごしよくツルリと食べられるのがわんこそば。気付けばいつもよりも箸が進んでいる、岩手を代表する郷土料理です。

わんこそばの発祥の地マップ

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