日本発祥のもの
当たり付きの自動販売機
発祥の地
大阪府大阪市北区中之島2丁目2番7号
発祥期
1970年代後半
考案者
ダイドードリンコ
当たり付きの自動販売機の起源
世界最古の自動販売機は、1615年ごろにイギリスで誕生した、タバコの自動販売機です。また、 現存する日本最古の自動販売機は、発明家・俵谷高七による「自動郵便切手葉書売下機」ですが、「当たり付きの自動販売機」の誕生は、1970年代後半に自動販売機を導入開始した飲料メーカー「ダイドードリンコ」からです。
街角でよく見かける当たり付きの自動販売機は、ダイドードリンコが日本で初めて導入。当初は、すでに設置されている自動販売機に、ドリルで穴を開けて機能を後付けしていました。1979年には、ダイドードリンコの自販機の代名詞と言える「当たり付きルーレット」が登場。以来、当たり付きの自動販売機での販売を続けています。
自動販売機大国の日本。70〜80年代には多種多様な自動販売機が登場しました。当時、瓶の自動販売機での価格は50〜60円で、缶の自動販売機も60円程度でしたが、オイルショック以降数年間隔で10円づつ値上げされていきいました。
100円に到達すると飲料メーカーは「ワンコインで買える」という固定観念から、値上げに慎重になり消費税導入時まで100円時代が長く続く事になります。
そんな中ダイドードリンコは、客を楽しませる為の当たり券を考案し販売促進となる付加価値作りを目的に、「当たり付きの自動販売機」を導入しました。当時はひときわ目立つデザインを施し、客の注目を集めていたようです。
当たり付きの自動販売機は、外観だけでなくその機能も年々変化していきます。当初は、ルーレット機能のみを自販機に後から付けたタイプでした。1970年代は、メロデイーが流れるタイプの「当たり付きルーレット(内蔵ルーレット)」です。ルーレットに当たると「当たりです。もう一度、お好みのボタンを押してください。」という音声が流れる「おしゃべり機能自販機」も登場しました。
1980年代は、「押しボタン」と「釣り銭返却口を除く操作部」を挟んだ上下2段のデスプレイが主流で、ルーレットも真ん中に大きく配置されていました。1990年代、電照板のデスプレイ効果がアップ。この頃よりルーレットもかなりコンパクトになりました。
2000年代(現行タイプ)、商品購入後、投入口すぐ脇の電子ドラムが回り始め、金額表示部に同じ数字が4桁揃えば(0000〜9999)当たりです。30秒以内に商品ボタンを押すと、120円までの商品をもう1本無料でもらえます。
1980年代、UCC、ポッカ、サンガリアコーヒー、不二家ネクター、雪印ドリンクス、サントリー スポーツドリンク、VIVO (1980年代初めに存在した飲料メーカー)など、各メーカーの自動販売機にルーレットが付いていました。野球や陸上、カーレースなどゲーム形式のものまで、目立つサイズのルーレットが表示されていました。
現在でもメーカーの自動販売機は多数ありますが、当たり付きの自動販売機は多くありません。今、飲み物の当たり付きの自動販売機を全国で広く展開しているのは、ダイドーくらいかもしれません。
国内飲料事業の8割以上を、自販機からの売上で占めているダイドードリンコは、自販機を店舗として捉えているそうです。利用する客に少しでも楽しんでもらおうと、販売に付
加価値をつけています。当たりがでると、もう一本ゲットできる単純明快なゲーム。同じ自動販売機を利用するのなら、当たりの機能があった方がお得感が感じられます。