日本発祥のもの
ドリア
発祥の地
神奈川県横浜市
発祥期
1930年
考案者
サリー・ワイル
ドリアの起源
ドリアは1930年頃にホテルニューグランドの初代料理長が体調不良の銀行家のために考案した料理です。
サリー・ワイルさんは「コック長はメニュー外のいかなる料理にもご用命に応じます」とメニューに書き、お客様の要望に応えて様々な料理を提供していました。
そんなある日、体調を崩した欧州の銀行家の要望を受けて即興で提供した料理であるといわれています。
その時に提供されたものは、バターライス(ピラフ)に芝エビのクリーム煮とベシャメルソース(ホワイトソース)をかけ、オーブンで焼き上げたものでした。
好評だったこの料理は、以来ニューグランドの名物料理の一つになりました。
このサリー・ワイルとは1927年にニューグランドが開業する際にパリから招かれたコックで、フランス料理全般に長けていて、イタリア料理やスイス料理なども得意としていました。
約20年間にわたり日本に、本場ヨーロッパのレシピや技術を伝え、日本の西洋料理の発展に貢献しました。
そして、弟子たちによって他のホテルや街場のレストランでも「ドリア」は提供されて広まり、洋食の定番料理になっていきました。
その後サリー・ワイルさんはスイスに帰国してからは日本からの留学生の受け入れに尽力し、日本から留学した生徒たちからはパパと慕われていたそうです。
「ドリア」という名前はサリー・ワイルドさんが考案したものです。
確証はなく由来には諸説があり、その中の一つがイタリアの貴族、アンドレア・ドーリア提督の名前を由来にしていると言われています。
アンドレア・ドーリア提督とは、ジェノバ共和国の名門貴族でありもっとも有名な人物です。
もともとフランス料理に「ドリア」という料理があったそうですが、それは19世紀に名声を博したパリのレストラン「カフェ・アングレ」が、常連客であったジェノバの貴族「ドーリア家」のために作った「キュウリ・トマト・卵を使った別料理」だそうです。
今では、ライス入りグラタンはだいたいどこでも「ドリア」と呼ばれていますが、昔は色々な呼び方をしていたようです。
例えば、単に「ライスグラタン」や「トルーヴィル(トマト味のライスにグラタンソースをかけて焼いたもの)」といった様々な名前で呼ばれていたそうです。
現在ではシーフードドリア、カレードリア、ミートドリアなど多彩なバリエーションで愛されており、各家庭やコンビニ、ファミリーレストランなどでも定番で人気のメニューとなりました。