【宮崎県】チキン南蛮の発祥の地と誕生秘話

日本発祥のもの

チキン南蛮

発祥の地

宮崎県延岡市

発祥期

昭和30年〜40年

考案者

洋食店ロンドン

チキン南蛮の起源

チキン南蛮は昭和30年代に宮崎県延岡市にあった洋食店「ロンドン」にて、まかない料理として出されていたのが始まりだといわれています。

もともとまかない料理だったこの料理に名前はなくタルタルソースもかかってない「鶏から揚げ甘酢漬け」のような料理でした。
材料はモモ肉に比べ、料理の出番が少なかったという鶏のむね肉。これに小麦粉をまぶして卵液にくぐらせ油で揚げ、熱々のうちにアジの南蛮漬けなどに使う甘酢をかけて出来上がりです。
このまかない料理を食べた後藤直さん、甲斐照幸さんは大変美味しいと大絶賛。

今のチキン南蛮を作った一人、後藤直さんは居酒屋を営んでいましたが、営業は夜からだったので、昼の間は料理のレパートリーを増やすために「ロンドン」で修業していたそうです。その後昭和39年頃に自身が経営する店「直ちゃん」でオリジナルに独自の工夫を加えてメニュー化しました。

その後「鶏から揚げの甘酢かけ」は大人気商品になりました。
常連さんと相談した後、アジの南蛮漬けと同じ甘酢を使っていることから「チキン南蛮」と名付けられたそうです。

チキン南蛮を作ったもう一人は甲斐義光さん。食堂を経営していましたが軌道に乗らず活路を求めて延岡市にいた兄・照幸さんを通じて洋食料理にかかせないデミグラスソースの作り方を学んだのが「ロンドン」だったそうです。

そして同じく「ロンドン」で働いていた甲斐義光さんが同時期に「おぐら大瀬」を開業し、「チキン南蛮」をメニュー化しました。
そして「一度食べたら忘れなれない味にしたい」という想いから少し甘めの味付けにしたそうです。
そして私たちに馴染みのある現在のタルタルソースをかけ、サラダを添えるチキン南蛮の形になったそうです。

なので「直ちゃん」のチキン南蛮にはタルタルソースがかかっておらず、「おぐら」のチキン南蛮にはタルタルソースがかかっています。
ほぼ同時期のメニュー化だったためどちらが正統派なのか、どちらが先にメニュー開発をしたのかなどと言われることもありますが、どちらも同じ洋食店「ロンドン」にてヒントを得て開発したものなので両方ともまぎれもなく「チキン南蛮」なのです。

チキン南蛮の主役「宮崎地鶏」ですが宮崎地鶏は柔らかいが弾力もあり食べ応えがあり、臭みがないのが特徴で、焼いて食べれば肉の旨味を堪能できて、生でも安心して食べられます。
宮崎県では全国のニワトリ出荷量の約半分を占めます。
宮崎市民は日本一鶏肉を食べているともいわれ、街中に鶏料理を扱った店が並んでいます。
農家が島津藩の地頭職に献上していた鶏が地頭鶏と呼ばれるようになり、これが宮崎地鶏の由来とされているそうです。

現在でも食堂やレストランだけではなく惣菜やお弁当としても人気が高く、コンビニのお弁当にもなっており全国的にも馴染みのある料理になりました。

チキン南蛮発祥の地は鶏肉が盛んにたべられている。

チキン南蛮の発祥の地マップ

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