【埼玉県】ゼリーフライの発祥の地と誕生秘話

日本発祥のもの

ゼリーフライ

発祥の地

埼玉県行田市持田「一福茶屋」

発祥期

1905年(明治38年)

考案者

「一福茶屋」大澤常八

ゼリーフライの起源

ゼリーフライの起源は100年以上前にさかのぼります。日露戦争に従軍した行田市内の「一福茶屋」(現在は閉店)の店主が、中国の東北地方で食されていた“野菜まんじゅう”の作り方を中国人に教わり、日本でその野菜まんじゅうをアレンジして考案されたゼリーフライを、行田市内で行われる祭りで販売したことが起源と言われています。

明治後期には一般的に食されるようになり、日本一の生産量を誇る、歴史のある足袋の産地でもある行田市の全盛期(昭和初期)の足袋工場で働く女工さんのおやつとして人気があったそうです。以来、長い間市民のおやつとして愛され続け、行田市のソウルフードと呼ばれています。

「ゼリーフライ」という名前の由来は、小判のような成形から「銭フライ」と呼ばれていたのが変化し、“ゼリーフライ”と呼ばれるようになったと言われています。

ゼリーフライは、ゼリーといってもお菓子のゼリーとは別もので、パン粉の付いていない“おからコロッケ”です。おからに小麦粉を合わせ、そこに茹でてつぶしたジャガイモと刻んだタマネギや、ニンジンなどの野菜を混ぜあわせたタネを作り、小判型に形を整えます。大きめで厚みのあるゼリーフライは、中まで火が通るようにじっくりと時間をかけて揚げて、ウースターソースにくぐらせたら完成です。

味付けのソースやモチモチとした食感が相まったゼリーフライは、熱々でも冷めても、地元民から愛され続けている美味しいおやつです。おからとジャガイモの配合加減や、味付けのソースなどは各店ごとのオリジナルで、味が微妙に異なります。

行田市では、2006年(平成18年)頃から「ゼリーフライのB級グルメ全国ブランド化」に取り組んでいます。行田市内外の埼玉県の学校給食での提供や埼玉県内の飲食店、精肉店でも提供・販売などを促進して、ご当地グルメとして各種メディアで紹介され評判です。行田市のゆるキャラ「こぜにちゃん」も市内外のイベントに出演しています。

ゼリーフライのB級グルメ遍歴は、2007年(平成19年)に地元で開催された「埼玉B級ご当地グルメ王決定戦!」では、深谷市の“煮ぼうとう”に惜敗したものの、堂々2位の栄冠を獲得しました。 また、同年(平成19年)にご当地B級グルメの全国祭典・B-1グランプリにも出場。

2010年には、もう1つのご当地グルメ「フライ」(小麦粉にねぎや卵、肉などを入れて鉄板で焼く料理)を提供する業者によって「行田フライ・ゼリーフライ友の会」が結成され、市内でフライやゼリーフライを食べられる店舗をまとめたマップが作られています。

ゼリーフライの発祥の地マップ

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