【石川県】フォーチュンクッキーの発祥の地と誕生秘話

日本発祥のもの

フォーチュンクッキー

発祥の地

石川県金沢市

発祥期

1894年(明治27年)

考案者

萩原眞

フォーチュンクッキーの起源

フォーチュンクッキーは、金沢の正月の縁起菓子「辻占(つじうら)煎餅」にはじまるといわれています。

フォーチュンクッキーはアメリカやカナダの中華料理店で食後に出されるデザートで、中には小さな紙のおみくじが入っており、中華料理店で出されることから中国由来のものと思われているようです。
実際は日本人が辻占に似せて作ったのがはじまりです。1894年(明治27年)にカリフォルニア州サンフランシスコにあるゴールデン・ゲート・パークゴールデン・ゲート・パークで国際見本市が開催され、日本庭園が作られました。その庭園を設計、運営していた庭師の萩原眞が、庭園を訪れお茶屋でくつろぐお客様をもてなすためにお茶うけを用意しようと考えました。
そして、日本の辻占を参考にして、メッセージを書いた紙を入れた菓子を作ります。アメリカの人に受け入れられやすい味にして、製造用の機械も特注して作った物でした。
これがフォーチュンクッキーです。

その後、クッキーは日本からの移民によって徐々に広まっていきます。
しかし、第二次世界大戦中、日本人は収容所に送られてしまいます。庭園とフォーチュンクッキーを作る設備は中国系の移民たちに引き継がれていくことになるのです。
日系人のレストランに代わって二次世界大戦中に人気となった多くの中華料理店で、フォーチュンクッキーを出すようになりました。

現在では、アメリカだけではなくカナダの中華料理店でも出されています。
金沢の縁起菓子の「辻占(つじうら)煎餅」は、米粉に砂糖を加えた生地が羽や花の形に仕上げてあり、中には簡単なおみくじが入っている菓子です。
おみくじには今年の運勢だったり、励ましの言葉だったりが簡単に書いてあり、もっちりした食感のものや最中のようにパリッとした食感のものなど作るお店によって特徴もあります。

「辻占」の「辻」とは道の交差点を表し、辻はこの世とあの世の境と考えられていました。
二つの世界の境である辻ではいろんな声が聞こえるとされ、辻占は辻を通りがかった人の言葉から占うというものだったようです。
万葉集にも「玉桙の道行き占にうらなへば」とあり、道で占いをしていたことがわかります。
辻占とは、辻で行う占いという意味です。江戸時代になると、お祭りや市の日に辻にたつおみくじを買うことが流行します。
そうした辻占で売られるようなくじが入った色鮮やかな菓子を辻占と呼び、煎餅や飴、昆布などがあったようです。
特に金沢では正月に神社で配られ縁起物として楽しまれました。
現在も正月には欠かせない縁起菓子であり、数個を選び、出てきた言葉をつなぎ合わせ解釈を考える言葉遊びをするなど親しまれています。

フォーチュンクッキーの発祥の地マップ

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