日本発祥のもの
バイキング
発祥の地
東京都千代田区内幸町 帝国ホテル インペリアルバイキング
発祥期
1958年(昭和33年)
考案者
犬丸徹三
村上信夫
バイキングの起源
バイキングは、当時の帝国ホテルの社長・犬丸徹三が、北欧の伝統料理スモーガスボードに刺激を受け、後に第11代料理長となる村上信夫に研究を命じ、日本初となるビュッフェスタイルの「インペリアルバイキング」をオープンさせたのがはじまりです。
犬丸はデンマークのコペンハーゲンで、北欧の伝統料理 スモーガスボードに出会いました。
一つの大きなテーブルに並んだ50種類以上にもなる料理から、好みのものを取って食べるセルフサービス形式で楽しむご馳走です。
メニューは、ニシンの酢漬け、サケのマリネ、ハム、レバーペースト、ローストビーフ、サラダ類といったものから、パンやチーズ、デザートといったものも並びます。
「豪華でボリュームがある。好みのものを自由に食べるのもユニークだ」と、犬丸はホテルリッツパリで研修中だった村上に研究を命じたのです。
村上は本場で学ぼうと、パリからコペンハーゲンにまで飛んで行き、日本人に合うたくさんのレシピを考案していきました。
バイキングという名前は社内公募で決まりました。
当時の海賊映画「バイキング」で、豪快に食べたり飲んだりするシーンがあり、これをイメージした応募が3名あり、採用になったそうです。
1959年(昭和33年)、レストラン「インペリアルバイキング 」がオープンします。
当時の値段でランチが1200円、ディナーが1500円、料理の種類は40種程あったそうです。
メニューは、スモークサーモン、うなぎのゼリー寄せ、レバーペースト、伊勢海老の水煮などの冷製料理を中心として、当時はまだ珍しかったブルーチーズや黒パンもありました。
デニッシュペストリーもこの時に初めて日本に紹介されたといわれています。
映画館の入場料が150円、相撲の正面桟敷席が1000円で、1800円も出せば帝国ホテルに一泊できた時代です。
ランチが1200円、ディナーが1500円で非常に高価ではありましたが、時代の最先端を行く料理を新しいスタイルで食べようと連日予約でいっぱいだったそうです。
日本で「バイキング」は食べ放題を意味しますが、日本だけで伝わる表現であり、海外でも日本人を対象とした店でのみ使用されているようです。
また、ビュッフェ(またはビュフェ、ブッフェ)とはフランス語で飾り棚であり、ビュッフェスタイルは棚に料理を並べて取り分ける立食スタイルを意味するものでした。
好きな料理を選んで自分で取るセルフ方式での食事ではありますが、食べ放題を意味するものではなかったのです。
食べ放題はビュッフェスタイルに限らないこともあり、
現在では、「ビュッフェ」は並んだ料理から好きな料理を選んで食べる意味で使用され、
一定の時間内に好きなだけ食べる場合は「食べ放題」と表現することが多くなってきています。